藤田@グッケンモスウイングです。
4月20日に茨城県足尾山から宮城県白石市まで190kmのクロカンフライトを
達成しましたのでみなさまにご報告します。(記号は適当に解釈して下さい。)
■XC条件は今年のベストと予感が的中
☆☆☆☆夜中にあった上層雲が朝にはスッキリ消えてポッカリとした雲が
所々にできてとても良さそう。雲低1800mと予想
「---こういう日は放射冷却がなくて気温減率がいいんだよ。---」
?その後しばらくして上層雲が張り出してきていたのが気になった。
☆☆☆☆☆北日中南東の風の予報が朝から南東が入っていて、福島も南の予報。
☆☆昨日のフライトで30%の田んぼに水が入っているのを見て今日しかないと
思った。
☆☆☆最近だるかった体も今日は調子が良い。
■早めのテイクオフ
☆☆☆☆ハング・パラが9時からソアリングしている。
☆☆☆テイクオフは東風2〜5m/sのサーマルウインドウ。
「---足尾T.O.のベストだ、いつでも出られるぞ---」とプレッシャーなし。
10時半まで1000mで頭打ちだったパラやハングが徐々に上がり始めたのを見て
10:40AMにテイクオフ。
■XC条件の検証
☆☆☆☆☆11:00AMには足尾山上空1600m、
順調に3m/s、時に5、6m/sのサーマルでゲインする。
☆☆☆☆☆流される方向も真北、対気スピードと対地スピードの差が10km/h
???徐々に上層雲が厚くなりだしてきた。
「---きっと北は晴れているに違いない---」とXCを決意。
■待ち人来たらず
××高峰山の雲底でXCパートナーを待つもなかなか現れない。
☆☆高度が1800mあったこと、雲が続いているので一人でも十分と判断し
先行する。
■魔の茂木上空
×××「---やって来ました茂木上空、高度500mになっちゃったよ〜。---」
案の定50mゲインしては100m下がる、100mゲインしては100m下がるを繰
返す。
サーマル?ローター?と悪戦苦闘してる間にハングとパラが上空高く次々通過して行
く。
☆☆☆「---クロカンは辛抱じゃい、あきらめた時が降りる時---」としぶとく粘る。
「風にただよう羽根になれ!」と呪文を唱えていたらようやく女神が微笑んだ。
■一から出直し
☆☆「---白いパラ様、赤いパラ様連れてって下さい。お願いしま〜す。---」
謙虚な気持ちで後を付いて行く。「高く〜高く、STAY HIGH!」
当たったサーマルはすべて拾い高度800m〜1600mを保つ。
■那須町で明暗を分ける
☆☆小川からはATOSに「AFTER YOU」、少し右にふったコースでサーマルヒット
するも茂木の二の舞。頼みのパートナーはどんどん下がる。那須町では次々と
後続組がランディングして行く。
■白河からは別世界
☆☆☆県境を越えるあたりはサーマルも2〜3m/sと安定してきた。
???なぜか1800mで気流が突然乱れる。西風の洗礼か?
☆☆☆☆☆白河駅上空で2000m、2:00PM、風向きは南で北方向には
おいしそうな白い雲が続いていて上層雲は消えている。
「---まだまだ時間はたっぷりあるぞ---」
■ついに来た福島市
GPSはNASAから165km、自己記録更新したぞ。
午後4時、福島市上空1800m、南方向を見てセンターリング中。
大きな雲の下、安定したサーマルでようやく写真を撮る余裕ができた。
そろそろ日が傾きだした。「---まだ200kmは間に合う---」
■未知の世界
??福島市上空の雲は東西に延びたクラウドストリートになっていた。
後で思えばこの雲は北風と南風のシェアラインではなかっただろうか。
??北方向の地形がうろ覚えでどの方向に行くのが良いか迷ってしまった。
××ランディング場所確保にフライトコースが蛇行したのと途中から
アゲンストに阻まれ思ったほど距離が伸びなかった。
宮城県白石市こすごうの田んぼに4:30PMランディング。
テイクオフ地点から直線距離190kmであった。
■幻の日本記録更新
「富原の記録を破ったぞ!」と喜んで回収依頼の電話を入れると
エンタープライズの佐々木君が近くに降りていると言われ、連絡を取ると
僕より先の板敷から195km地点まで飛んでいた。
彼は僕よりも早く10:10AMにテイクオフして4:00PMにはランディングしていた。
帰りの回収車の中で「まだ先まで行けましたね」、さらりと言われてしまった。
「---すごい奴だぜこいつは! まぐれで195km飛べるか!---」
■目標は250km
タイトルを奪われて新たなる目標ができた。
「次は仙台で牛タンパーティだ!!」
■GPSでとったフライトログデータをカーナビ地図上で展開しました。
(BUMPの松川氏に協力いただきました。)
GARMIN GPS45使用のためトラックログメモリーが768ポイントしかなく
タイムインターバルを15秒に設定したため3時間12分のデータしか
残ってません。つまりテイクオフしてから黒羽間の約2時間半のデータが
上書きされてしまいましたので途中からになってしまいました。
おまけに高度データもなしです。
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「うむ〜やはり新しいGPSを買うべきだったか・・・」
帰りの車の中エンタープライズの佐々木くんが言っていた言葉が耳に残った。
「トップナビはいいですよ。僕は前に飛んだ人のデータを入れてあるんです。
だいたい同じ所でサーマルに当たるんです。」
「ほんとかよ〜おい!そんなことできんのかい?」
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でも、ないよりはましだね。
松川さんが10分ごとに時間を表示してくれたので、どこでスタックしていたかが
よく分かるし、軌跡を見ればセンターリングしているのがよく分かる。
■この軌跡を見て分かったこと
スタックしていた前半90km地点までは平均時速30km/h、
比較的順調だった後半100kmが平均時速40km/h
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那須町までは上層雲が日照をさえぎりサーマルも強くなかった。そして
白河に入ってからは高度も高くなりスピードが上がっていると感じた。
最後こそアゲンストに阻まれたが、始終南風のフォローだった割りには
スピードが出ていなかった。那須町から先は単独だったこともあり、
必要以上に慎重すぎたかもしれません。
でも200kmはすぐそこです。あとすこしだけ何かがあれば到達できるのです。
■最後に、
このレポートにより少しでもみなさんのお役に立てれば幸いです。
私自身、新たなる目標に向かって再度挑戦するつもりです。
また今後クロカンしやすい環境つくりもやっていきたいと考えています。
以上