裏週刊堀川 2002年 10月第2週号  スカイフェス2002

 10月12日土曜日、今年も富山のスカイフェスに行く。午前3時の目覚ましに気付かず、6時半に気付く。バタバタと用意して7時出発、高速を120キロ巡航で走ると燃費7km/Lを叩き出す。高級車みたいだぜジムニー。閑乗寺公園(八乙女山麓の少し上、宿泊場所)9時半の受付には間に合わず、10時到着。競技説明が始まった所だった。慌てて用意して来たのでカメラを忘れたが、早川さん(スカイフェスハング部門の主催者)に貸してもらった。
 関西からはKPたくさん、あと酋長、タケちゃん、妻鹿、平山。関東から去年とほとんど同じ顔、長野から若干と地元で40人ぐらいだったか。今日は晴れで北風弱い。八乙女から出て山沿いに南西10キロ先のつくばね中腹にある原山牧場までを2往復がタスクになった。テイクオフは申請順。
 私と谷古宇さんは長岡さんの車に乗せてもらって上がる。長岡さんはSTのクロスバーが壊れていて飛べなくなってしまった。
 昼過ぎ、ダミーが出るがいまいち。選手は中村ツネ(昨年優勝者)が出て粘りもって上がる。山本さんあえなくブッ飛び、谷古宇さんが右で上がりだして私もテイクオフ申請、たしか6番目。準備している間に川浪さんがすごいテイクオフをしたようだ。その次誰だったかが出て、私の番。12時40分ごろ。
 風はゆるいながらも入っているとはいえ、八乙女のテイクオフは前の杉がこわい。走り出しは別に問題なかったと思う。なのに、ランチャー離れてから左に傾き、右いっぱい引き寄せて出る先に杉の木が迫って来て、後ろからはみんなの悲鳴が鳴り響く。杉の手前で大きく右にターン、続いて一気に左ターンで正面向いて出る。怖ろしい目に遭ったが、やってる本人は結構冷静であった。
 右へは行かず、左のブタでだれか粘っていたのでそちらへ向かう。そこでは臭い豚小屋サーマルで、粘る。私の後に出た山口裕之(ST、以後、山4)もやってきて臭く粘る。しばらくしてからタマさん、平山さん、的場さん、春さんやらがテイクオフ前で粘っていたのでそちらに行こうとしたら、その手前でヒットし、テイクオフレベルを越える。
 テイクオフ前もこっちに来て、断続的にその近辺で数個出る弱いリフトでみんなでジワジワ上がる。春さんはいつの間にか消え、私と的場さんが他の場所を探しに行って何もなく戻ってくる間に、そこに残り続けたタマさんが最初に高くなって西へ行った。
 それからは私1人。そこに居続けてリフトがなくなった雲底1400mには少し届かないところで既に飛び出してから40分、テイクオフ上に戻って写真を撮り、リスタート、尾根沿いに西へ向かう。
 途中、粘りながら進むがリフトは弱く、いまいち上がらない。中間辺りで、つくばねから戻ってくる谷古宇さんが回していたのですぐ下に入るとちょっとましなリフト、追い払ってしまったか谷古宇さんはすぐ八乙女方面へ。私はそこで1200mまで戻してからつくばねへ向かう。
 それからも送電線で粘りながら進んで、つくばねのパラテイクオフ上50mぐらいにつける。そこでは粘りは出来るが上がりもしない。そのころはパラもスッ飛んで行くだけだったが、あまり考えていなかった。
 前山に行けばあるだろうと前に出る。するとズルズル下がりだした。前山先でも下がるだけ。仕方ないので原山牧場を交差して、中心の建物を撮影するともう600m。牧場右尾根でも下がるだけ、麓に出て送電線沿いに変電所の東から西端へ行くも下がる。ここで無いならどうにもないし、もう一度変電所のまわりを東行って西行ってもう終わり、東から前に出てつくばねメインランへ。最後は風がほとんど無く、かなり低めに入ったが一番下まで進んでランディング。それだけでも2時間弱飛んだ。つくばねを見てみるとパラがトップアウトしてるじゃないか・・・。
 山本さんに電話して役員連絡先を教えてもらいランディング報告、回収はしばらくかかりそうだと言う。片付けだしてバテンを抜いた頃、ハング5機ほどがつくばねに来た。1000mぐらいの高度で粘っている。そのうち1機がこぼれてこちらに来たのは谷古宇さんだ。のこり500mぐらいで回しだした。「降りろ〜降りろ〜」と呪いをかけるがどうもここからリフトが出ているようでジワジワ上がっていき、そのうち帰ってしまった。他機も山沿いのまま東へ戻った・・・あぁ。
 それからはたまにパラが降りてきてはすぐに車でどこかへ行く。私1人、もうただ回収を待つしかない。・・・4時半、禅寺で無に帰る状態で平山さんから電話、回収車はさっきここへ来たらしいが私を発見できず、戻ってきたとか・・・。5時過ぎ、来てくれたのは長岡さんで、川浪さんと、谷古宇さんとその連れのフランス人のおっちゃんも乗っていた。
 それから城端の街に出て寺を観光し、井波に戻って道の駅の風呂、閑乗寺公園センターハウスに戻って宴会。寝る人がでだし、早川さんがログハウスを開けてくれて宴会場所をそこに移して宴会。12時頃に戻る。最後に洋平とセキの地獄車は、すごい物を見た。

 13日日曜日、朝食終えて駐車場に出て酋長、タケちゃんとビール飲むは何か懐かしい感じ。天気は快晴で山から吹き下ろしが強く吹いていたが、8時過ぎると穏やかになる。
 張り出されていた昨日の成績を見ると、ゴールは足尾 川田さん(エクスタシー)のみ。2位は2回牧場に行ったが最後帰ってこれなかった谷古宇さん、3位は1往復したタマさんと地元北川さん(アトス)、5位に牧場行ったが帰ってこれなかった者、私を含め10名ほど。あとはブッ飛んだ者や牧場までたどり着けずにタコった者多数。それなら私もつくばねに降ろさず、帰り道で誰か降りてる所に刺さればよかった。
 本日は、八乙女から一度原山牧場に行って、八乙女から北にのびる庄川の河口ゴールの距離競技、約45キロゴールだが、平地を進む八乙女から河口は25キロぐらい。今日も長岡さんの車に私と谷古宇さんが乗せてもらって上がる。長岡さんはファルコンを持ってきていた。
 今日は昼前、中村さんや洋平が出て右で粘る。山本さん、なにもなくブッ飛び。右が上がりだし、みんながテイクオフ申請しようとして私も申請、今日は8番目。なぜが私をマークする山4が私の次。
 私の前に的場さんが出て、右へ進む。回して上がりだして私もテイクオフ、12時20分。今日は昨日の様な事にはならず、すんなり出る。そして右の尾根先に来ると上がり出す。龍門右尾根の様な感じだ。
 1200mぐらいまで上がって的場さんに追いつくと、的場さんはつくばね方面へ進んで上げ出すので私も移動して的場さんの下に入る。そしてまた追いついたところで的場さんはつくばね方面へ進んで・・・を、4回ほど繰り返すとつくばねの手前まで来た。すると雲底まで上げきったであろうタマさんが200mぐらい上を悠々と通過して行く。
 つくばね上空1000mぐらいでどうも上がらない。昨日のことがあるので、私はここで上がるまで張り付いて、原山牧場にはそれから行く事にする。パラテイクオフ、山頂、池の辺りで上げきれずにフネフネしていると、次々とハングが来ては牧場リターンで戻っていく。ほとんどみんな尾根線より低い高度で戻って行くが、ちゃんと帰っている様だ。まあ、同じ様に動いてもいいのだが・・・。
 40分張り付いている間に何機通過するのを見たであろうか。私は何とか1200mまでなったので、やっと原山牧場を撮ってリターン。すると高圧線沿いに余裕で上がる。戻りながら川浪さんと一緒に雲底1450m。川浪さんは沖へ、私は尾根沿いに八乙女へ。つくばねへ進むのとすれ違ったのは数機、八乙女には既に誰もいない。
 八乙女付近で、今日は早川さんのクライマックスに乗る喜田さんと一緒になるが、喜田さんはパラが上がっている東の方へと走り出した。私は北東へと進み、ダムを越え、庄川の東側にある尾根沿いへ向かう。八乙女から5キロほど進んだ所でリフトがあって粘る。平野では少々西風が強いようだ。
 喜田さんが東から戻ってきた。同じ様な400mぐらいの高度。私の所は無視して少し北に進み、山4も来て2人粘りだしたので私もそちらに移動する。3人粘りだし、私は流されるまま上げ、2人は前に出もって上がらず、低くなった。そこの東の方にパラが1機いて、回しながらこちらに進んでくる。私は西風に流されるままにゆっくりと上げる。
 パラとすれ違い、彼は北へ進み出した。高度は600mぐらい(高度は全て八乙女LDからの高さ)、流されながら粘るだけになったのでパラを追いかけてみる。だが彼は北へ続く低い尾根麓沿に進んで下がるので、私は少し西の防風林沿いに進んでさほど落ちない。下の方ではタケちゃんがファイナルグライドだった。
 さらに北に進むと、前方に谷古宇さんと浜井さん(アトス)がいた。2人回っていたので私もその下に入りに行く。300mぐらいからゆっくり上がり、500mぐらいになるが谷古宇さんは上げきるまでもなくすぐに北へ走り出す。釣られるように浜井さんもついて行く。私は「いやいや、上げきってから・・・」と思うが先に進んだ2人が上げ出すので追いかけてまた下に入る。それを繰り返すこと3回、2人が北陸道高岡PAから浄水場にかけて東西に並んで回っていたので、私はその下で2人の間を行き来しながら上げる。
 また上げきるまでもなく2人は進むが、私はこれはリフトが合わさるはずだと思い、留まり続けるとやはりその様になり、600mからそこそこ調子よく、ゴルフ場の上まで流されながら850mまで上がる。
 それから低くもがいている2人の上に来るとステイできるので、300mぐらいでステイしながら2人の様子を見る。そのうち谷古宇さんは真下で降りた。浜井さんはアトスの滑空比を生かし、少し北の学校横に降りた。ところが浜井さんがノーズ刺さったまま動かない。これは、オレは降りなければならないのか・・・と思っていたら、しばらくして動き出してホッ。
 ステイしていてもトータルでジリジリ下がるので私は進むことにする。そこから北上すると大門の街はかなり威圧感がある。川沿いは街に覆われていて降りれないので、少し東側の街の細い部分を通過する。すると線路の上でリフトを感じる。しかし、街は100mほど下に見えるし、怖くて回すことが出来なかった。結局それがファイナルグライドとなり、街を越え1キロほど先の田んぼの農道脇に降りたのが3時前。
 それから30分もせずに街の南に降りた川田さんを回収した中野さんが回収に来てくれた。地元農家のおっちゃんと話していた私は急いで片付る。それから浜井さん、谷古宇さんを回収に行こうとするが回収済み、次に平山さん回収済み、高岡PA近くに降りた川浪さんを回収に行くと、機体だけあったので機体回収、川浪さん自身は別の車で回収された。車で井波に帰ろうとすると、飛んでいる時はそうも思わなかったが結構遠い。
 帰ってきてログハウスで報告。北川さんと洋平(ライトスピード)が、ゴールしていた。私はゴールまであと4.2キロ。最後街の上で根性あったらなぁ。でもまあ、今日は3位だ。早い時間に走った洋平に聞くと、その時は街から河口まではシェアになってて、余裕で行けたそうな。他の人たちもほとんどは原山牧場往復してからミニクロカン出来たようだった。
 みんなで風呂行ってから、メインイベントの大宴会。やっぱここはこれがええわ! ログハウスで10名ほどが2次会、洋平におどらされ加藤(栄)対加藤(千)ハング拳から野郎はほとんど脱ぎまくる・・・。

 14日月曜日、天気は良いが風が北東の予報なので競技はキャンセルとし、つくばねでフリーフライトになった。2日間の成績で、優勝川田さん、2位北川さん、3位谷古宇さん、4位タマさんと、初日往復できた人たちがそのまま上位となった。私が5位で、2日目ゴールしたが1日目ブッ飛んだ洋平が6位だった。
 つくばねのクラブハウスへ行ってからそれぞれ上がる。私と川浪さんのグライダーを積んだ長岡号は、谷古宇さんとフランス人を連れて上がってしまったので、別の人に乗せてもらって上がる。新しくできたつくばねハングテイクオフに機体を降ろし、長岡号はうどん食べに降りて行った。
 KPはランディング見に行っていて人は少なく、ランチャーの近くで組む。ここのテイクオフは高低差は650mの地点、池田のような感じでプレッシャー値は高い。今日は取材カメラがいる。
 風はずっと入っていて、雲は大きめの積雲がストリートに出来ている。ちょうど昼頃、早川さんがテイクオフ。牧場通過、右尾根でなし、左へ進むが下がる。みんな終わったと思った。ところが、低いところから変電所サーマルで上がってきた。早川さんトップアウトし、川田さん、川北さん(ししく)テイクオフ。川田さんは変電所サーマル、川北さんは右尾根でフラフラ、のち変電所サーマル。私も準備しだす。早川さんはカメラを意識してか、低く帰ってきてテイクオフ上を通過する。
 次に中村夫妻が続けて出て、正面右で粘り出す。準備は出来ていたがランチャー怖いな〜と後込みしていると、うるさいランチャーのエモGにせかされる。ランチャーに立って、しばらくビビリながら周りに風の様子を聞いてて笑われ、意を決してテイクオフ、12時25分。下に面がある所のテイクオフは、いい気のする物ではないが、出てしまえば関係ない。
 W中村が回す手前で当たって先に上がる。今日も私のすぐ後に山4が出てきて追いかけてくる。ワンヒットで雲底は1150m、思ったより低い。断続的に続く雲沿いに前に進む。雲底は1100〜1200m。山4がずっとつけてきてリフトで回しながら北上し、城端の街の上。そこから南西に進む。ところが高速城端SAに来ると山4は帰っていた。なんだよ、この雲底高度で1人じゃ医王山に行くのは(タコって1人がいやなため)つらいじゃないか、と思いつつもとりあえず進む。それからは弱いリフトで回しながらも雲底維持できず、刀利ダム下流の去年タコったところ手前でリターン。
 ランディングに帰ってくると、もう結構降りている。ランディングの上ではタケちゃんと紫のXCが回っていたのでその上に入り、ジリジリ上がる。2人は沖のリフトに乗り換え、私は変電所西に流れながらゆっくり上げる。ここに喜田さん、早川さんともう一機クライマックスが来て上げる。変電所サーマルでかなり時間がかかりながらも何とか上げる。あとの3人は降りてしまった。
 前山から原山牧場の周りを周回するように回ると下がるだけ。また変電所横500mへ、振り出しに戻る。こんどはタマさんと、ライトスポーツと誰かと上げる。また時間がかかっているうちに、3人はランディング上へと行ってしまった。私はもう一度牧場周りを周回、また下がる・・・。ところが今度は、牧場東側でヒット、ジワジワ上げていくと、900mぐらいに下がった雲底。ほとんどみんな降りてしまったし、私もランディング上へ。このころから全く下がらなくなってしまった。
 みんな降りて、私1人になってから北へ進む。ストリートが海まで続いているようで、今なら余裕で河口に行ける様な気がするがそんなことはしない。ランディングの少し南、早川邸の庭では宴会始まってるし、医王山にも行かない。しんどいのでグライダー任せに飛んでいると、勝手にリフトに入ってグリグリ上げ出したりする。上げたいときにがんばっても外してしまうのに、降りたいときはコントロールしなくてもコアに入ろうとするから不思議だ。
 福光ICから高速沿いに南下して山の麓まで来てランディング上に来てもさがらない。下げるためにシンクのコアをつかもうとしてもいつのまにか上昇してたりする。
 なんとか下げて、2時間飛んだらランディングではもう開いているハングはない。早川邸の裏には3機ほどが降りている。もちろん、降ろすのは宴会場の隣である。
 早川邸の西に東西にのびる田んぼ。風は北東の様なので、東に進入する。ファイナルアプローチに入ってから気付いたが、結構段々の段は高い。そして風が無い! 余裕をもったつもりで入ったが、速いしえらくよく伸びる。このままではもしかすると置いてあるグライダーに当たるかもと思い、最後に少し北に振って・・・フレア、止まらない!3歩走ってギリギリ止まれず、下の段に落ちてしまった。ついでに落ちたときにアップライトに体重をかけてしまい、折ってしまった。・・・思えば前折ったのも一年前にここで飛んだ時・・・まあいいか、宴会するみんなの目の前で、体を張って受けを取ったのだから!
 それから最後の宴会。KPは夕方に帰り、日が暮れて関東組も帰り、酋長は長野へ向けて出発し、7時頃に地元は車置いて帰るひともいる。私も帰ろうとしたが、柴田さんと私が早川邸でコーヒーを頂き、私はお米(早川さんの奥さんの実家、石川県鳥越村産)まで頂いてしまった。
 7時40分、早川邸をあとにし、小矢部ICまで柴田さん(彼もジムニーにハング)に先導してもらう。木之本から湖岸で帰宅12時。今回は飛びも絶好の条件でミニクロカンタスクもあったりだったし、宴会もいつも以上に盛り上がって最高だった!

おわり